フェヌグリーク

●英名:Fenugreek
●和漢名:ころは、霊香草、霊凌香
●学名:Trigonella foenum-graecum L.
●科名:マメ科の一年生草本
●原産地:西アジア、ギリシア
●主産地:フランス、ドイツ、ギリシア、エジプト、スーダン、中国、モロッコ、パキスタン、アメリカ

 草丈40〜70cmに達し、初夏に白い花を咲かせるマメ科の一年草である。長さ6センチぐらいの細長い鎌状のさやがなる。一つのさやに10〜20個の小さな堅い種子が含まれ、この種子をスパイスとして利用する。
 古くから食用、薬用、香料の原料や飼料として、幅広く用いられてきた。
 日本に渡来したのは享保年間だが、あまり人気がなく栽培されることはなかった。

フェヌグリークの香味

 種子を砕いたものは、カラメル様の甘い香りと、メープル様の苦みを感じる。種子を軽くあぶってから粉にひくと、その芳香はより一層強くなる。また、微量成分のクマリンが含まれているため、セロリーのような芳香も感じるが、この匂いを消したい場合は、沸騰させたアルコールに種子を入れ、取り出して乾燥させると脱臭される。
 種子は栄養価が高く、たんぱく質、ミネラル、脂質、ビタミンなどが豊富に含まれている。アジア諸国や中近東では、食文化および宗教上の理由で肉を食べないところがある。そういったところでは、フェヌグリークは栄養面で重要な食物となっている。

フェヌグリークの利用法

■カレーパウダーに用いるときは、種子を軽くあぶってから粉末にする。チャツネの原料としても使われる。アフリカ北部では、パンにフェヌグリークの種子を加えて焼き、ギリシアでは、種子を生のままか煮込んではちみつと一緒に食べる。
■インドでは、生の葉を野菜としてカレー料理に使っている。発芽後の2枚葉は、サラダにしてもおいしい。
■フェヌグリーク・エキストラクトは、種子から抽出するのだが、加工食品分野では広く用いられている。特に、イミテーションメープルシロップの香りづけには欠かせない。他にも、煙草のフレーバーや東洋風調合香料にも使われている。の

フェヌグリークの薬効

 古代エジプトの時代には、すでに広く栽培されていた。口腔病、口唇のひび割れ、滋養、健胃、駆風、腎臓虚冷などの薬用があり、煎じた汁は婦人病に効く。催乳ハーブとして有名である。

フェヌグリークの栽培

■種子をまいて栽培する。温暖気候の地域では、水はけのよいローム層土壌が適し、また、多くの石灰分を必要とする。栽培自体は簡単で、春先に種子をまくと、3〜4カ月で実が完熟する
■実が完熟したら、根ごと引き抜く。脱穀しやすいように乾燥させて、さやから種子を取り出す。保存は十分に乾燥させてから行う。

フェヌグリークとカレー料理

 フェヌグリークは、カレー料理には絶対に必要なスパイスの一つである。
 フェヌグリークは日本では栽培されていないため、フェヌグリーク自体を知る人は少ないと思うが、“カレーの香り”と言えば、100%の人が「知っている!」と答えるだろう。
 フェヌグリークの姿を知る人は少なくても、フェヌグリークの香りは皆が知っているという、ちょっと面白い存在である。
 最近では、血糖値上昇を抑制し、コレステロールを低下させる作用があることが分かり、まだ研究段階ではあるが、健康食としても注目されてきている。
 カレーには、フェヌグリークを始め、いくつものスパイスが使われている。それぞれのスパイスのことを知っていくうちに、「カレー料理は健康食なのだ。」と思えてくる。いや、そうに違いない。